11/26のSH京都アカデミーでの練習内容について解説します。
まず大前提として
グリーンショットとレッドショットを知る必要がありますので、以前公開したこちらの動画をご覧ください。(この違いがわかる方は見なくても大丈夫です)
アカデミーで取り組むスコアリングの大半はグリーンショットです。
①ゴーリーウォームアップ(シュート)
ゴーリーの目と手の動きを慣らすことと、身体を温める目的でのウォームアップドリルです。
まずはあえてクリーズ内で構えてたったまま止めます。
身体が温まってきたら本来のクリーズ線上で正対しバタフライセーブします。
プレーヤーは最初はゴーリーの各防具に当てるようにシュートします。
実際の試合のウォームアップでも、いきなりハイショットや狙い澄ましたシュートではなく、自分のチームのゴーリーが良い状態で試合に入れるように「ゴーリーに当てる」をまず行なってください。
②レーンチェンジ×シュート&リバウンド
この練習はどのカテゴリーも基本中の基本として取り組みます。
含まれている要素は
1.レーンの原則
リンクを縦に2分割したときに2人がぞれぞれのレーンに位置するようにする
2.スコアリングの原則
ゴールに近づいてパックを横に動かすとゴーリーの横移動距離は遠くなり、シュート反応時間も極めて短くなる(ローヤルロード、ショートプレー)
3.リバウンドの法則
シューターから見て右に打ったシュートのリバウンドは基本的に右側に出る
「スコアリングの基本はシュート&リバウンドだ!」とよく言われますが、ゴーリーのどこにシュートを打ったらリバウンドが出やすいかがわからなければ、シュート&リバウンドでの得点に再現性が生まれません。
また、このシチュエーションのようにゴーリーをハンドリングで横に動かしながらのシュートは、ゴーリーのリバウンドコントロールする余裕をなくす効果があります。
ただシュートを浴びせてリバウンドが出るのを期待するのではなく、意図的にシュートしてリバウンドを出させることが賢いスコアリングです。
③シュートフェイク×パスアクロス
②のドリルからの派生で、シュートフェイク(打つフリ)からローヤルロードを横切るパスアクロスを直接合わせます(ワンタイマー)
動画内で解説していますが、ゴール近づいたときシューター2人の距離は離れるほどゴーリーの振り向く量が大きくなります。
ただ、近づきすぎてパックキャリアが角度のない位置まで深く入りすぎるとパスを通せなくなり、ゴーリーに意図がバレやすくなります。
・シュートの可能性を匂わせながら動きを急変させてパスを通せるか
・パスアクロスをワンタイマーで正確に合わせられるか
ここがポイントです。
④ダウンロー/ビハインドザネット
ゴール裏を使ったスコアリングシチュエーションです。
1つ目は高い位置から低い位置へのパス(ダウンロー)からゴールに近づいてゴール正面へパス(パスインフロント)→ワンタイマー。
ゴーリーはゴールライン後方から近づいてくるのに合わせてRVHに切り替えます。
パスの動作と同時もしくは少し早めにプッシュしてパックの正面に正対します。
2つ目はダウンローからゴール裏を回ってからバックドアにパスアクロス→ワンタイマー。
ゴーリーがRVHの姿勢から振り向いて移動するのを追い越すようにパックを動かしてパスを通します。
ここまでのドリルを構成するに当たって僕が意識しているのは
・グリーンショットにつなげる(ローヤルロード、Non-RR) ・プレーヤーのプレーアイデアを提供する(シュートフェイク、リバウンド、チリディップ等) ・慣れてきたらDFをつけてより実戦的に展開する(ゲームライク) ・ゴーリーの基本動作をできる限り含める(正対/デプス、ポストプレー、RVH等) ・ゴーリーのタイミングで展開する分、お互いの技術の精度を徹底させる(クオリティー)
僕が1人のゴーリーコーチとして、ホッケーコーチとして
ゴーリーとプレーヤーを総合的に指導していく意義はこれらに詰まっていると考えています。
そしてこれらは日本のホッケーに著しく足りない要素だと思いながら指導しています。
今回の内容のように、ゴーリーとプレーヤーが前後左右からの様々なスコアリングシチュエーションを学ぶことで、プレーの選択肢を増やしたり新たなプレーアイデアを生み出すことが必要なのです。
さて、京都アカデミーは今回の各プログラムで活動休止となりますが
継続して欲しいこと、考えてほしいことを短い時間ですが集約したつもりです。
今後もこちらを通じて様々な発信をしていきますので、参考にしていただければ幸いです。
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