初心者ゴーリーは何から教える?

日曜日は早朝のスコアリングクリニックの後に、新規で参加してくれた小4ゴーリーのレッスンをしました。

その子はゴーリーになって間もないですが、試合で思うように動けず失点したことが悔しかったようで今回レッスンを受講したいと遠方から足を運んでくれました。
本人が「もっと上手くなりたい!」と思っていることが指導する上で重要なのです。

今回は、初心者ゴーリーをどこから指導していくのか?コーチ視点で解説します。





✔︎1番最初に必ず確認すること


まず最初にやらなければならないのは「防具の確認」です。

◉レグパッド
・直立したときに股関節付近までレグパッドの上端が届いているか
・膝位置がきちんと合っているか
・余分なストラップが付いていないか
・トウボックスがきちんと作れているか
・ニーパッドを着用しているか

◉ブロッカー
・手首の可動が確保できているか

◉グラブ
・パックを捕球できる形、柔軟性があるか

◉チェスト&アーム
・腕や肩を自由に動かすことができるか

◉パンツ
チェストをタックイン(パンツの中に入れること)できるサイズか

マスク
・顔にフィットしているか
・スロートガードを付けているか(付けていてもマスクとの間に隙間があればダメです)

◉スティック
・シャフトとパドルの長さが50:50になっているか(長ければ切ります)
・パドルの長さは身長に合っているか

◉スケート
・最新のカウルレスタイプか

◉その他
・ゴーリー用ジョック、ネックガードを着用しているか


ゴーリーは硬いパックを身体で受けるからこそ「安全」でなければなりません。
安全にプレーでき、それぞれの防具を巧みに扱うスキルが必要です。

適切な防具を選び着用することが技術向上にもつながりますので、まずは防具の確認から優先的に行います。
各地でのクリニックでも初回の練習前に「スロートガード、ネックガード、ニーパッド」を着用しているかの確認、トウボックスを作れているかの確認を必ずします。
(トウボックスがなければRVHの練習ができません)

今回はジョッグがまさかのプレーヤー用でしたので、ボディートラップや高いシュートを止める練習は行わず、低いシュート限定で練習することにしました。





✔︎まずはこの3つのマスターしよう


昨日参加してくれた子には、まず3つのスキルをマスターすることを目標にしようと伝えました。


①構え(姿勢)
②スケーティング
③ポジショニング(正対)


つまり、ソリッドの要素です。

ゴーリーが大事なのはシュートを止めるまでの「過程」です。
シュートを止めるまでの準備が全体の動きの95%を占めています。

この95%のソリッドに当たる部分が崩れたり、遅れたり、不正確だと良いセーブができません。
初心者ゴーリーにも、ゴーリーとして大事なこと、優先して取り組むことを伝えながら進めていきます。



取り組む内容としては以下です。

①構え(姿勢)
・基本姿勢↔︎バタフライの切替(アウターロールバランス)
・バタフライボディーターン

まず、正しい構えができること。
構えができなければ良いスケーティング、良いセーブができません。
構えもなんでも良いわけではなく、手の位置、足幅、重心などそれぞれに目的があります。


②スケーティング
①の構えを維持したり切り替えながらスケーティングの練習をします。
優先して取り組むのは立った状態でのシャッフル、Tプッシュ、それぞれの立ち足(座った状態から立ち上がりながら移動する)です。

ボディーコントロール(身体の使い方)、エッジコントロール(エッジの使い方)を解説しながら進めていきます。
まずゴーリーが大変なのは「構えの維持」ですが、構えが維持できなければスケーティングが継続できませんので、構えが崩れたりしていたら直していきます。
その分少ない回数で確実に動きを成功させることができるように進めます。



この日行なったスケーティングの基本ドリルを動画にまとめました。
(デモ解説動画のみ)




徐々に距離を伸ばしたり、方向転換(Cカット)を加えて段階的に進めていきました。
ここまでで30分くらいでしたが、1つ1つ丁寧に進めていくと最初に比べると徐々にゴーリーらしくなってきます。


③ポジショニング(正対)
ここまでできて、いよいよクリーズでのスケーティング→正対→セーブに発展します。

まず「正対」と「セーブ」の優先順位は


・トップクリーズ(正面)に正確に正対できること
・ローショット(低い)を止められるようになること


この2つです。

正対をざっくり一言でいえば「パックの前に立つこと」ですが
もっと言えば

・パックとポストを結ぶ2本の線を踏むこと
・シュートが打たれる前に構えを完成させること


この2つが重要です。
ここで正対がずれていたり、正確な構えができなければ当然良いセーブはできませんので、これらが正しくできるか確認します。

セーブに関しては年代に関わらず当然バタフライセーブで統一します。
(未だに立ったまま止めるという理論はありません)

つま先付近を狙うシュートに対して、手足+スティックを突き出してセーブする動きを反復しました。

ここまでで結構バテてしまい時間をオーバーしていたので^^;

・構え/スケーティング/ポジショニング⇒ソリッドをまずマスターしよう
・今日やったことをとにかく続けること
上達する秘訣です

ということを伝えてレッスンを終えました。



✔︎試合で必要なことを教える


基本的に、初心者ゴーリーでも上級者でも取り組むスキルに変わりはありません。

年代に関わらず

【試合で必要なスキルを教えること】です。

当然レベルや年代によって進め方や段階はありますが、基本的に大人と子ども、初心者と上級者で取り組むスキルやセオリーは変えず同じように指導しています。

小学2年生の子にもRVHやOPDのスキルも「ゴールテンディングの基本として」教えています。

また、ホッケー用語の意味や目的も解説しながら進めます。
ホッケー用語を理解することで練習内容やゴーリーとしてやるべきことの理解が深まります。
ただ、1回では覚えられないのでコーチが何度も繰り返し発して聞き慣れることが大切です。


今回参加してくれた子は初めてゴーリーの専門的な指導を受けたそうですが、すごく頑張ってましたし楽しかったようでこれからの成長が楽しみです。
頑張れる子は必ず上達します。


SH HOCKEY GYMでのレッスンは年齢やポジション問わず誰でも参加可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください!




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